わたし達の約束「人生に栞を挟む時節、そこに寄り添うものがたりを届けること」

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Arts of Shikinagi News 01

記事のポイント
・わたし達 Arts of Shikinagiの作るノベルゲームの約束は「人生に栞を挟む時節、そこに寄り添うものがたりを届けること」

1. はじめましての方へ

「ここは俺に任せて先に行け」や「天空に浮かぶ城」「地下深くのドワーフの王国」そういった台詞、あるいは舞台に私たちはワクワクし、手に汗握り、時にはシズル感を覚えます。

こうしてご挨拶させていただいているわたし達は多かれ少なかれ文学系・文芸系の畑の出身で、多くの作家たちの紡いだ物語を読んできました。

人生の節目。例えば、高校時代に受験が終わって読破したシリーズもののSF作品、中学時代の課題で読んだ新潮文庫の夏の物語100選、夏休みに自分の部屋で窓を開けて夏を感じながら読破したロードオブザリングの赤表紙本。

入学・長期休暇・卒業、あるいはクリスマスやお正月など、節目のタイミングで読んだ本、記憶に刻まれた物語はなかなか大人になっても、消えないものです。

そんな節目で読まれ、いつか思い出される物語。

わたしたちはそういう物語を創り出していきたい。そう考えています。

2.四季凪をご存知の方へ

CIRCLE四季凪のかなり初めの方の作品をプレイしていただいた方はもしかしたら、同じ名前のメンバがスタッフリストに名を連ねているところを見るかもしれません。

 

2.1. これまでのわたし達

あの当時、ノベルゲーム1本を作り上げる為に、4~6名程のメンバで取り組んでいました。

そして当時、CIRCLE 四季凪ははじまったばかりで大学生のみでした。
ノベルゲームやRPG作品はじっくりコトコト作業を進める下拵えの時期が多く、なかなか作品を出せないことも、体験版はだしても完成版は出せないままにお蔵入りしたこともありました。

CIRCLE 四季凪では、大きくファンタジー系の作品や文芸作品をノベルゲーム化したものを私たちが現役の頃は作っていました。

2.2. これからのわたし達

これから私たちは本格的に制作にとりかかっていきます。

ただ、社会人のサークルとして、あるいはインディーゲームスタジオとして再出発するに際して、少し違ったチャレンジをしていきたいと考えています。

自分たちだけで作品をすべてきり回すという手法から離れるというのも1つですし、一般向けゲームとはまた別の女性向けアプリのようなもの、あるいはやや乙女ゲームのような作品。
そういった方面へ漕ぎ出していこうと考えています。

「今まで」に囚われず、「これから」へ。自分達の表現したいものを表現したい形で発表していければと思っております。

そして、わたし達がわたし達自身の新しい出発点として定義づけるのが「ノスタルジア」です。

3. わたし達だからできること

ノスタルジアは、わたしたちの母体となったCIRCLE 四季凪。サークルが創設された早稲田の大先輩である恩田陸さんの作品の特徴として語られる性質です。
それは、読んでいてどこか懐かしく感じる。もしかしたら、過去にあったかもしれないなととても身近な温度感を感じられるお話。

そんな“ものがたり”を作ることが出来たら、そういう想いが深くありました。

3.1. 大学ではない社会人の物語創作サークルとして

わたしたちは元々から四季凪でノベルゲームを作る、文芸誌を作る、NHK全国大学放送コンテスト参加などの文芸活動を行っていました。

その影響もあってか卒業後は、公務員や一般企業、あるいは学生時代にやっていたことと少し、あるいは多く関係のあるIT・ゲーム・Web系の企業に勤めるメンバがいます。

なつかしさを大事にした物語を作る一方で、新しいテーマをカタチにする物語もつくりたいという想いは両立していました。

そのため、作品によってどちらかあるいは双方を大事にした物語を紡いでいきます。

3.2. わたし達の約束

そんなわたし達がつくる「物語」で何を約束できるでしょうか。あるいは「ノスタルジア」という出発点からどこを目指すべきなのでしょうか。

それを「節目への栞を挟む」という言葉でこたえさせていただきたいなと思っています。

かつて、ノベルゲームを制作する際に多く使われていた吉里吉里。もちろん一部ではいまも利用されていることでしょう。

そのノベルゲームエンジンにおいて、デフォルト設定でセーブコマンドは、

「栞を挟む」

になっていました。

当時、吉里吉里を活用してノベルゲームを創る中で、とてもいい表現だなと思っていたことを覚えています。

人生において、多くの節目がわたし達には訪れます。

悲しみや喜び、つらさ、前向きな気持ち。それらは、何年か経ったあとにもきっと覚えていることでしょう。

そういった記憶に深く刻まれるタイミングで、あなたの一助となりえるような、「物語」「ノベルゲーム」「RPG」をわたし達は届けたいと思います。

3.3. 物語の価値

「春はあけぼの」この言葉は日本でもっともよく覚えられているフレーズのひとつかもしれません。
枕草子で清少納言が綴ったこのフレーズを、春になると思い出す方もいるのではないでしょうか。

普段意識しない春のあけぼのの仄かに薄暗い中、段々と明るくなっていく様子がなぜかこの言葉を改めて思い出すと意識されます。

節目と記憶というのは深い関係があると、わたし達は考えます。

大学生だった当時は季節感を大切にしたいという想いで、それが故に四季凪の初作品であるノベルゲーム「夢見石の庭で」はその構成上、春夏秋冬の章に分かれていました。

結局、そこも根底は人生に栞を挟む時節。そこに寄り添うものがたりでありたいという想いがあったのだと思います。

それがノスタルジアという恩田陸さんの描く物語の概念を出発点に、Arts of Shikinagiとして向かう先、この記事を読んでいるあなたへお届けする物語でお約束できることです。

5.結びに

本サークルの立ち上げに際して、様々な四季凪OBOGの方からの協力を賜りました。

また、初期立ち上げスタッフとして「夢見石の庭で」「青い月の下で」「茜色、ガラス色」などCIRCLE 四季凪の最初期作品を作り上げたメンバに参加いただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。

2019年吉日